Instant Sunshine

好きなものをとりとめなく残していく。ただそれだけ。

L'Arc~en~Ciel「ark」

ラルク2回目です。このアルバムは3枚同時シングルリリースしたり、2週連続シングルリリースしたりと、まさにやりたい放題だったラルク絶頂期の最後を締める、2枚同時発売アルバムの1つです。当然のようにバカ売れし、当然のようにクオリティもハイレベルと、当時のラルクがいかに凄まじかったかを物語る1枚となってますね。

とまあ素晴らしいアルバムなのですが、ここで1つ問題があって、2枚同時にアルバムが発売となった場合、たいていの場合どちらか一方が褒められて、もう片方は相対的に見られてしまい、不当にマイナス評価になるのが世の常でありまして、このアルバムはその不当にマイナス評価されがちという、かわいそーなアルバムでもあるのです。

もう片方の『ray』というアルバムがラルク最高傑作と挙がることが多いくらい完成度が高い上に、代表曲「HONEY」が収録されているというね、そりゃ勝ち目ありませんわ。プレイステーション2に立ち向かうドリームキャストみたいなもんですよ。『ark』なんてダッセーよなー。『ray』の方がいいよなー。

 

いやいや、ドリームキャストに大きな魅力があったように、『ark』も魅力がたくさんああります。淡々としたマーチングドラムとドラマチックな展開の大作「forbidden lover」、メロ部分でベースがうねりまくる「HEAVEN'S DRIVE」、ニューウェーブもビックリな音スカスカなメロ部分の「DIVE TO BLUE」、ストリングスがなんか火曜サスペンス劇場っぽいと僕の中で評判の「Butterfly's Sleep」、毒を吐きまくるハワイアン「Perfect Blue」、ギターソロは無駄にノイジーで、大サビ前のストリングスがやたらうねりまくる「Pieces」と個性派ぞろいです。

『ray』もそうなんですが、アルバム全体が退廃的でダークな雰囲気を持っていて、すごくかっこいいですね。『ark』はその上にポップな要素も持っているので、意外と聞きやすいです。このあたりが物足りないと言われてしまう部分でもあるのですが。

『ray』の影に隠れがちですが、必聴と言っていいほど良いアルバムだと思います。

 

 

まあここまで『ark』を持ち上げておきながら、実は『ray』の方が好きだったり。あと、当時ドリキャスじゃなくプレステ2を買いました。

世の中、勝ち馬に乗るんが処世術なんやで。

 

 

 

 

ark

ark

 

 

The Smiths「Singles」

ベストアルバムというのは妙に嫌われるフシがある気がする。ミュージシャン側は商業的なあれこれで文句つけられるし、ファンにしてみてはベスト盤は邪道だみたいな声があったりして、どうもベストなアルバムなのに軽視されているというか。まあ当社調べなんですが。(保険をかける)

と言っても何も知らないミュージシャンのために全オリジナルアルバム聴くほど暇じゃねぇーんだよ!というのが本音でございまして、そういった点でベストアルバムの存在は私にとって非常にありがたい。

そのミュージシャンを知るために手っ取り早い手段として、ベストアルバムを活用するのが音楽ライフを楽しむ上で重要でお手軽な手段だと感じている今日この頃であります。

 

今回紹介する80年代イギリスのギターポップバンド、スミスのシングルベストはまさにそんな素晴らしいベストアルバムなのです。

スミスはボーカルのモリッシーによる内向的でユーモアのある歌詞と、ギターのジョニーマーによる哀しげなメロディーが大きな魅力で、シンプルな3分間のポップソングを作るという美学がありました。

その美学が一番発揮できたフォーマットがシングルであり、そのシングルA面ベストである今作はオリジナルアルバムよりも、スミスの最良の部分が凝縮されていると思っています。

 

ハイライフなギターが特徴の「This Charming Man」、疾走感がありあっという間に終わる「Shakespear's Sister」、美しいギターワークの「The Boy With The Thorn In His Side」や、哀しいメロディーの「There Is A Light That Never Goes Out」など名曲だらけ。

 

The Smiths - This Charming Man (Official Music Video)

The Smiths - Shakespeare's Sister

The Smiths - The Boy With The Thorn In His Side (Official Music Video)

The Smiths - There Is A Light That Never Goes Out (1986)

 

スミスの入門編としてここからオリジナルアルバムを辿っていくのがオススメです。

 

 

 

 

Singles

Singles

 

 

 

こちらのディスク1で代用してもいいですね。

 

ザ・ベスト〜サウンド・オブ・ザ・スミス〜

ザ・ベスト〜サウンド・オブ・ザ・スミス〜

 

 

V.A.「The Sound Of Wonder!」

今回紹介するアルバムは結構マニアックなものを。こういうニッチなところを開拓するのが商売の秘訣の一つや。

このアルバムは70〜80年代頃のパキスタンの映画音楽をまとめた編集盤なのですが、音楽としては、ファズギターやシンセがうなりをあげ、ボーカルのミックスがえらいデカいという、サントラとして映像を引き立てる気があるのか疑問に思えてくるほど、存在感がありすぎる曲の数々です。

そんなことでこのアルバムは、60年代ガレージ・サイケが好きな人にはグッとくるアルバムだと思います。いい意味でB級感あふれているというか。

 

曲のタイトルもなかなか香ばしく、「I Am Very Sorry」「Society Girl」など、英語としておかしくないか?と。

とはいえ、これは私たち日本人もバカにはできません。普段何気なく着ているシャツに書かれた英語が、実はとんでもない意味だったりすることはよくある話です。このアルバムを聴くたびに、「人のふり見て我がふり直せ」と言うありがたいお言葉が脳裏に浮かぶのです。なんの話をしてるんですかね。

 

私の好きな曲はその「Society Girl」。ソサエティーガール!と高らかに宣言するイントロがインパクトあります。ベースラインがいいですね。踊りたくなるような感じ。

あとはアルバムタイトルの元となった「Dama Dam Mas Qalander」や昔のレコードっぽい甲高い女性ボーカルの「Good News For You」がお気に入りですね。

 

Nazir Ali feat Nahid Akhtar -[10]- Society Girl

M. Ashraf Feat Ahmed Rushdi -[1]- Dama Dam Mast Qalandar (The Sound Of Wonder)

M. Ashraf feat Nahid Akhtar -[2]- Good News For You

 

 

街で「焼肉定食」と書かれたシャツを着ている外人を見たとき、とても微笑ましい気持ちになりました。もしかしたらあの外人もこのアルバムを聴いているかもしれませんね。

 

 

 

 

The Sound of Wonder!

The Sound of Wonder!

 

 

 

Pixies「Surfer Rosa」

ロックという音楽は、やはりネガティブな要素がないといけません。劣等感やコンプレックスが激情に変わることでロックというのは深みを増すものだと私は常に思っています。その辺のチャラ男が女をひっかけてパーリーピーポーというロックなんて、いくらかっこいい音を鳴らしていても、それは薄っぺらいものにしかならないのではないでしょうか。

今回紹介するPixiesはボーカルがデブ・ハゲ・ブサイクと数え役満な風貌(あと性格も難あり)を持ちながらも、誰よりもかっこいいロックを鳴らしたバンドです。活動期間は80年代後半から90年代前半と短いながら、後進のバンドに大きな影響を与えています。

 

ピクシーズの魅力として、静と動のメリハリをつけた曲展開とかがありますが、私はもっと包括的な捉え方をしていまして、単純に曲展開が変態的なんですね。フックが効きまくっているというか。予測がつかない方向に曲が進んでいくので、聴いててすごく楽しくなってくる。

ピクシーズは2ndアルバムの『Doolittle』が代表作としてよく挙げられますが、上記の点で私はむしろデビューミニアルバムの『Come On Pilgrim』や今回紹介する1stアルバムの『Surfer Rosa』の方が好きですね。バンド全員がアイデアやアレンジに練り込む余裕があったからなのか、どれ一つとして同じような曲はないと言っていいほど。3分未満の曲がほとんどながら、短さをまるで感じさせないほどのアイデアたっぷりな曲の数々です。そういった意味で2ndアルバム以降は(ピクシーズにしては)真っ当なロックになってしまって、その点が私にとって残念かなと思っています。

 

で、『Surfer Rosa』ならではの魅力は、スティーブ・アルビニの迫力ある録音でしょう。ピクシーズのひん曲がった個性を増幅させるような見事な音像を作り上げています。加工した感じがまるでない、すごい生っぽい音になっています。アルビニ先生のベストワークではないでしょうか。

1曲目の「Bone Machine」のイントロのドラムを聴けば、私の言いたいことが全て分かるはずです。ヒリヒリした感触がまさにロック!!って感じですね。

 

 

  

サーファー・ローザ

サーファー・ローザ

 

 

The Cure「Staring At The Sea」

80年代から現在に渡って高い人気を博してきたイギリスのバンド、The Cure(以下キュアー)について書こうと思う。しかもあえてのベスト盤(笑)。

キュアーの魅力というのは人それぞれ分かれるでしょうが、個人的にはストレンジでセンスの良いポップソングを書けるというところが大きな魅力だと思っています。

今まで出してきたオリジナルアルバムには名盤と呼ばれるものが数多くありますが、何枚か聴いてみたところ、あんまりピンとこなかったんです。オリジナルを聴く前に触れたベストアルバム2枚はすごく好きになれたのに。

 

理由は割と単純でした。曲が長いアンド多い。

 

特に『Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me』以降はその傾向が高く、アルバム通して聴くとしんどい。曲も長い割に展開が変わらず、同じ調子なのが延々続くので、私にとってはこれはキツイ。

その結果、いつの間にかベストアルバムくらいしか聴かなくなっていたとさ。ハイ、終了!

 

 

あ、アルバムについてでしたね。このアルバムはデビュー時の『Three Imaginary Boys』から『The Head On The Door』期までのシングル曲を収録したアルバムで、私の好きなストレンジでセンスの良いポップソングが多数あり、聴き心地いいです。明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい薄暗さの雰囲気がたまらないです。

代表曲「Boys Don't Cry」や「Charlotte Sometimes」などはオリジナルアルバムには収録されていないので、そういった点でも聴く価値あります。

キュアーの場合は作品も多く、時期によって音楽性がガラリと変わっているので、ベスト盤で好きな曲を見つけ、そこからオリジナルアルバムに遡っていくのが一番ハズレがないと思います。

 

音がスカスカだけど妙に魅力的な「10:15 Saturday Night」、甘酸っぱい青春の1ページ感のある「Boys Don't Cry」、タンゴを取り入れた「The Lovecats」、ふわふわしたシンセが心地良い「Close To Me」が、私のお気に入りですね。

 

 

 

Staring at the Sea: Singles

Staring at the Sea: Singles

 

 

Mr.Children「IT'S A WONDERFUL WORLD」

ついにやってきたミスチル。今回は最近聴いた10枚目のアルバムで。これがやっと魅力がわかってきた作品なんです。

 

問題作『深海』から続いていた鬱屈な世界観からついに解き放たれて、久々にポップなミスチルが帰ってきた作品であり、徐々に落ち始めていた人気を取り戻した、ミスチル史でも結構重要な作品です。

が、私はそこまで好きじゃなかったんですよね。鬱屈した世界観のミスチルが好きだったし、このアルバムではピアノ主体のアレンジが多く、バンド感が薄く感じられるのがどうも好みではなかった。なんか腑抜けた感じに聴こえたんですね。

 

ただ久しぶりに聴いたら、すごくしっかり作り込まれた作品だなと思えました。

アントニオ猪木の有名な言葉をサンプリングした「one two three」、ストリングスやピアノなど一寸の隙のないアレンジの「君が好き」といった力の入った曲が多いですし、

打ち込みリズムと毒を吐く歌詞が『DISCOVERY』を彷彿とさせる「LOVEはじめました」もいいアクセントになってます。

 

あと昔から思っていたのですが、「youthful days」や「優しい歌」ってポップな曲として片付けるには、あまりにも収まりが悪い曲ですよね。

youthful days」のサビのリズムとかすごく変ですし、「優しい歌」なんかメロで盛り上がりをお膳立てしときながら、サビはあっさり終了しますし、この辺りは前作『Q』の変てこりんな流れを汲んでいるのかなと思いました。

 

 個人的に一番面白かった曲は「UFO」。地味なメロディと割と力が入ったストリングスアレンジが妙で、地味なのか派手なのかわからないところが不思議だった。今までは全然印象に残らなかったのに、なぜか今回聴いた時はすごく印象に残ってしまった(笑)。

 

 

昔は『深海』こそがミスチルだと思っていた私ですが、年を重ねるとこういったアルバムも受け入れられるほど、音楽の器も大きくなったんだなとシミジミと感じました。

 

 

 

It’s a wonderful world

It’s a wonderful world

 

 

felt「Let The Snakes Their Heads Crinkle To Death」

イギリスで80年代を通してインディーで活躍したギターポップバンド、フェルトの5thアルバムで、フェルトの中でも迷作扱いされることも多い作品。

 

というのもこのアルバムは全曲インストで、全10曲であるにも関わらず収録時間が20分弱という、商業的自殺としか思えないような作品だったからです。

今までのフェルトファンも、このアルバム発売前に出たシングル「Ballad Of The Band」で好きになったファンも困惑しかなかったのではないでしょうか。だってこんな小品集にマジすげえっすわ〜いいアルバムやわ〜とかいうシーンとか想像しにくいし。

 

とまあ否定的な意見から入りましたが、私個人としてはすごく好きなアルバムだったりします。さらっと気軽に聴けるところがいいんですよね。

20分弱の収録時間も、全曲インストといった要素も、私にとっては肩肘張らずに聴けるポイントですし、どの曲もリラックスした雰囲気があって、つい手に取ってしまうアルバムです。腹八分目で聴けるというか。

 

ゆったりとした時間を過ごしたいときにオススメです。

 

 

Let the Snakes Crinkle Their Heads to Death

Let the Snakes Crinkle Their Heads to Death